パソコンを経費にする方法|10万・20万・40万円の境界線と減価償却の手順【2026年版】
年末に近づくと増えるのが「パソコンを買い替えたい。経費になる?」という相談です。答えは「なります。ただし金額で処理方法がまったく違う」が正解。
しかも2026年は、青色申告者向けの「少額減価償却資産の特例」の基準が30万円未満から40万円未満に引き上げられた年。同じPCでも買い方ひとつで「今年の経費に全額落ちる」のか「4年かけて少しずつ」なのかが変わります。この記事では、境界線ごとの処理と、年末購入で失敗しない手順を整理します。
金額で決まる4つの処理方法
パソコンの取得価額(税抜経理なら税抜、税込経理なら税込)で、使える処理は次のように分かれます。
| 取得価額 | 処理方法 | 経費になるタイミング |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費(誰でもOK) | 買った年に全額 |
| 10万〜20万円未満 | 一括償却資産 or 少額特例 | 3年均等 or 買った年に全額 |
| 20万〜40万円未満 | 少額特例(青色申告のみ) | 買った年に全額 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却 | 耐用年数4年で分割 |
ポイントは3つあります。
- 10万円未満:白色でも青色でも関係なく、消耗品費で一括OK。もっともシンプルなライン
- 一括償却資産(10万〜20万円未満):3年で均等に経費化。月割り計算が不要で、12月に買っても1/3を当年に計上できる
- 少額特例:青色申告者だけが使える時限措置。年間合計300万円まで、買った年に全額経費
2026年の変更点:特例が「40万円未満」に拡大
令和8年度税制改正で、少額減価償却資産の特例の対象が拡充されました。
| 項目 | 〜2026年3月31日の取得 | 2026年4月1日以後の取得 |
|---|---|---|
| 対象の取得価額 | 30万円未満 | 40万円未満 |
| 年間の合計上限 | 300万円 | 300万円(変更なし) |
| 適用期限 | — | 2029年3月31日まで延長 |
つまり、今年(2026年)の4月以降に買った35万円の高性能PCも、青色申告なら全額を今年の経費にできるということです。改正前の「30万円以上だから4年償却」という前提で計画を立てている人は、計算が変わるので注意してください。
40万円以上のPC:通常の減価償却の計算例
特例の枠を超える高額モデル(Mac Studio、ワークステーション等)は通常の減価償却です。PCの耐用年数は4年、個人事業主の計算方法は原則定額法(償却率0.25)。
例:48万円のPCを10月に購入・使用開始
- 年間の償却額:48万円 × 0.25 = 12万円
- 初年度(10〜12月の3か月分):12万円 × 3/12 = 3万円
- 2年目〜4年目:各12万円、5年目に残りを1円まで償却
ここでわかるのは、年末に近いほど通常償却では当年の経費がほとんど取れないということ。同じ10月購入でも、40万円未満に収まる構成にして少額特例を使えば全額が当年の経費です。「買う金額」だけでなく「処理方法」まで含めて年末の購入計画を立てましょう。
年末購入で失敗しない3つのチェック
- 「事業の用に供した」日が基準。年内に届いて実際に使い始めたものが今年の経費。注文済み・未開封は対象外です
- プライベート併用なら按分が必要。仕事7割・私用3割なら取得価額の7割が対象。按分の考え方は家事按分の計算方法の記事で詳しく解説しています
- 特例の適用は年間300万円まで。PC以外の機材も含めた合計で管理します。枠を超えた分は通常償却に回すのが基本です
なお、少額特例をフル活用する前提は青色申告。65万円控除との違いや要件はこちらの記事で確認してください。
帳簿への付け方
消耗品費・一括償却・少額特例、いずれの場合も帳簿には「いつ・何を・いくらで・どこで買ったか」と処理方法を記録します。減価償却資産は固定資産台帳での管理が必要です。償却計算や按分を手計算でやるのは非効率なので、按分シミュレーターで割合を決め、無料テンプレートで帳簿の形を先に作っておくのが近道です。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断は税理士または税務署にご確認ください。制度は2026年10月時点の情報に基づきます(令和8年度税制改正による少額減価償却資産の特例拡充を反映)。
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