かんたん青色申告パックパックを見る →
消費税 · インボイス制度

簡易課税とは?みなし仕入率50%(第5種)の計算例と届出期限【2027年から】

2026年11月2日 · 約7分で読めます

インボイス登録をきっかけに課税事業者になり、「2割特例」で消費税を計算してきたフリーランスにとって、2026年の年末は分かれ道です。2割特例は2026年分が最後。2027年分からは、原則どおりの「本則課税」か、届出を出して使う「簡易課税」のどちらかで計算します。

結論から言えば、デザイナー、エンジニア、ライター、コンサルタントなどのサービス業は多くが第5種に分類され、みなし仕入率は50%です。つまり「売上で受け取った消費税の半分」を納めるイメージ。ただし、2027年分から使うには原則2026年12月31日までの届出が必要です。判断を先送りすると、選択肢そのものを失います。

まず結論:第5種なら「売上の消費税×50%」が納税額の目安

簡易課税の計算式は次のとおりです。

納める消費税 = 売上にかかる消費税額 −(売上にかかる消費税額 × みなし仕入率)
第5種(50%)なら、実質的に「売上の消費税額 × 50%」です。

たとえば年間売上が税抜770万円で、すべて10%の取引なら、売上にかかる消費税は77万円。第5種の簡易課税では、77万円×50%=38.5万円が納税額の目安になります。実際に経費で払った消費税を一つずつ集計する必要はありません。帳簿の負担を減らしやすいのが特徴です。

第5種はどんな業種?みなし仕入率の一覧

区分主な業種みなし仕入率
第1種卸売業90%
第2種小売業など80%
第3種製造業など70%
第4種飲食店業など、その他の事業60%
第5種サービス業など50%
第6種不動産業40%

フリーランスのデザイン制作、システム開発、記事執筆、コンサルティングは、一般的に第5種のサービス業に該当します。物販や飲食など複数の事業を兼ねている場合は、売上を区分して計算する必要があるため、単一事業の人より確認事項が増えます。

計算例:2割特例・簡易課税・本則課税でいくら違う?

計算方法前提・計算納税額の目安
2割特例(2026年分まで)売上の消費税77万円 × 20%15.4万円
簡易課税・第5種売上の消費税77万円 × 50%38.5万円
本則課税売上の消費税77万円 − 経費の消費税20万円57万円

この例では、本則課税より簡易課税のほうが18.5万円安くなります。一方、2割特例と比べると23.1万円の増額です。「2027年分も同じ感覚でいける」と思っていると資金繰りを誤るので、11月中に年間売上と経費を概算しておきましょう。まずは2割特例シミュレーターで現在の負担感を確認し、そのうえで翌年分を試算すると差が見えやすくなります。

簡易課税を選べる条件と、12月31日の届出期限

「売上が少ないから自動で簡易課税になる」わけではありません。届出を出さなければ本則課税です。年末の税務署は混雑しやすいので、選ぶ可能性がある人は12月上旬までに準備してください。2割特例の終了スケジュールは2割特例は2026年分で終了する解説記事にもまとめています。

簡易課税が得な人・本則課税が得な人

状況有利になりやすい方法理由
人件費以外の課税経費が少ない簡易課税実際の仕入税額より50%のみなし控除が大きくなりやすい
外注費・広告費・ソフトウェア費が多い本則課税実際に払った消費税が50%のみなし控除を上回る可能性がある
2027年に高額な機材・設備を買う本則課税を検討設備投資の消費税を実額で控除できる
経費の消費税集計を簡単にしたい簡易課税仕入側をみなし仕入率で計算できる

ざっくりした分岐点は、課税対象の経費が売上の50%を超えるかです。すべて10%取引なら、経費率50%前後で本則と簡易が入れ替わります。ただし、給料・住民税・社会保険料など消費税がかからない支出は経費でも仕入税額控除の対象外です。単純な「経費の合計」ではなく、「消費税がかかる経費」で比較してください。

インボイス経過措置との関係にも注意

本則課税を選ぶ場合、免税事業者などへの支払いにかかる仕入税額控除の経過措置は、2026年10月から50%に縮小されています。外注先に免税事業者が多い人は、2027年分の本則課税の納税額が従来の感覚より増える可能性があります。詳しい影響は経過措置50%縮小の解説で確認してください。

一方、簡易課税では仕入側をみなし仕入率で計算します。個々の支払い相手が適格請求書発行事業者かどうかで控除額を積み上げる計算ではないため、免税の外注先が多い人ほど、簡易課税のメリットが相対的に出やすい構造です。もちろん、所得税の経費記録として請求書・契約書・支払明細の保存は引き続き必要です。

11月中にやること:3ステップで判断する

  1. 2026年1〜10月の売上と課税経費を集計し、11〜12月を見込みで足す
  2. 「売上の消費税×50%」と「経費の消費税の実額」を比較する
  3. 簡易課税が有利なら、12月31日までに届出書を提出する。迷う場合は提出前に税理士または税務署へ確認する

帳簿が未整理なら、まず売上と課税経費を分けるところから始めてください。無料の申告準備チェックリストを使えば、消費税の区分だけでなく、所得税の経費漏れも同時に点検できます。

消費税の区分も、帳簿付けも、この1冊で整理。
自動集計エクセル帳簿、適格請求書テンプレート、制度ガイドPDF3冊。¥2,980・買い切りで、簡易課税の試算から青色申告の記帳まで今日から始められます。

かんたん青色申告パックを見る

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断は税理士または税務署にご確認ください。制度は2026年11月時点の情報に基づきます。

この記事が役に立ったら、確定申告に困っているフリーランスの知り合いにシェアしてください。

📣 役に立ちましたか?

確定申告に困っているフリーランスの知り合いに、教えてあげてください。

𝕏 でシェア LINEで送る